ユカさん|9月の旅|遊牧民の家庭滞在

モンゴルに決めた理由

就職活動が終わったら、残り少ない学生生活で一生思い出に残る一人旅をしようとずっと心に決めていました。 

今まで様々な国へ海外旅行に行ったことがありましたが、一人旅をするならあまり日本人観光客がいない所で、自然の多い所にいってみたいと思っていました。

また専攻が環境のため、少しでも勉強になる所に行きたいと思っていました。

このようにいくつか条件を挙げた時、頭の中にモンゴルが浮かびました。

(たぶん乙嫁という遊牧民の生活を舞台にした漫画の影響でもあると思います。)

日本人ツアーのような遊牧民との生活ではなく、厳しい自然と共に生きる本物の遊牧民の生活を肌で感じたいと思うようになり、モンゴルに行く事を決めました。

予約から出発迄

7月下旬と遅い時期に申し込みをしたにも関わらず、迅速に手配をしてくださいました。
また学生のためお金がそこまでないことも相談したところ、色々と考えてくださり手配をしてくださいました。
出発に近づくに不安が出てきましたが、いつでもメールで質問できる環境を取ってくださったおかげで、不安よりも楽しみでした。

1日目

日本は残暑が続く中、モンゴルに着いたとき日本の冬の気温に匹敵するほどの寒さで思わず『寒っ!!』と言ってしまいました。 

看板に書いてある文字がモンゴル語であるのを見て、『英語を母国語としないところについたんだなぁ、モンゴルに本当にきたんだなぁ~』っと思いました。 

通訳のツァツァさん、運転手のメンデさんと合流しホテルに向かいました。 

ホテルに向かう間、お互いのことについて自己紹介をし、モンゴルについて丁寧に教えてくれました。窓から見える景色はウランバートルに向かっているにも関わらず、広い土地が続いて、首都に入った後も今まで海外旅行で行ってきた首都とは違い、とても静かな場所でした。

その日は通訳のツァツァさんと夕食を共にし、モンゴルについて伺いました。 

モンゴルはソ連に侵略されていたこともあり、女性が専業主婦にはならず働く人が多いそうです。また若い間( 20 代前半)に結婚することも聞き、アジアに隣しているにも関わらず、文化は欧米なので大変興味深かったです。

2日目

モンゴル語から日本語通訳してくれるオユカさんとロビーで待ち合わせし、ストアーで必要な飲料水などを購入しホームステイ先に向かいました。(モンゴル滞在期間は英語通訳のツァツァさんと行動を共にする予定でしたが、英語だと質問したくてもスムーズに出来ないだろうと考えてくださり、日本語通訳の方を急遽用意してくださいました。)

ホームステイ先へ向かっている途中、鷹を腕に乗せることが出来る体験をしました。本物の鷹を見るのも、触るのも初めてだったのでとても興奮し「かっこいい!!すごい!!」とテンションがあがってしまいました。
その後、松の実を購入し車内でメンデさんオユカさんと一緒に食べました。松の実は殻を前歯で軽噛み、殻を取ります。そのあと中にある白い実を食べるのですが、この噛み加減が難しく私は中身の白い実も歯で?んでしまいました。私が一つ食べる間運転手のメンデさんは10個ぐらい食べていました。さすがです(笑)

車内からの景色は金色に輝いた草原が続いていました。山はほとんどが岩山で、途中亀の形をした岩(亀岩)を見ました。モンゴルの自然は水・緑が多いという印象を持っていましたが、どちらかというと乾燥地帯であることを学びました。ただ果てしなく草原と岩山が続いているのではなく、川が急に現れたりして今まで見たことない『自然』でした。 メンデさんが口ずさむ歌を聞いていたら寝てしまい、気がついたらホームステイ先についていました。

おじいちゃん、お父さん、お母さん、息子のオギくん、お母さんの妹さんとその旦那さんと娘さんが笑顔で迎えてくれました。
『センセバノー』
『セッセン』と
オユカさんが教えてくれたモンゴルの挨拶をし、ゲルの中に入りました。
女性の間である右側に座り、モンゴルのミルクティーを頂きました。塩が紅茶をまろやかにしてとてもおいしく、冷えた体を温めてくれました。
その後、水、羊の油そして塩がベースのスープを頂きました。食べている最中、お母さんの妹さんが私を呼んだので振り返るとなんと生首の羊を持っていました!!
ビックリして『うわぁああああ!!!』と叫んだら、家族がみんな笑って『ビックリした??』っと素敵な笑顔で言われました。内心私の心はドキドキして笑顔で返事が出来ませんでした。『あなたが泊まるから新しく羊を刈ったんだ』といってくれた時、私を迎える家族の暖かさと優しさを感じました。

お昼が終わったあと、ゲルの周りを歩きました。といっても草原が続いているだけでした。
ゲルを見回し太陽光パネルや車が置いてあった時は『遊牧民も近代的な生活を送ってるんだな』と思いました。
綺麗な空気を吸いながら草原に座ってオユカさんからモンゴルについて聞きました。モンゴルの経済情報や、各地によって様々な文化のお話をしてくれました。
夕暮れに羊とヤギを連れておじいさんが、陽が山で隠れた時に牛たちが帰ってきました。夕食を済ませ乳搾りをするため、お母さんからディールを貸してもらい着させて頂きました。
着た瞬間なんと暖かいこと!!ヒートテックなんていらないほど暖かかったです!
外に出て空を見上げると今まで見たことがないほどの星が見えました。特に広い空に天の川がくっきりと見えたのは本当に感動しました。
寒い中乳搾りをしましたがなかなか上手く絞れなくて大苦戦。それを見たお母さんがジェスチャーでこうやるのよ!と指導してくれました。
乳搾りが終わった後ゲルに戻って一休みをしました。
お父さんがビールを飲みに行くか!!と話をしたのでメンデさん、オユカさん、お母さん、お父さんと近くの問屋さんまで車で行きましたが、すでにビールが売り切れになっていました。売り切れのことを聞いた時のお父さんのテンションの下がった姿がかわいかったです(笑)
帰ってすぐに布団を敷き、就寝しました。

3日目

朝起きたらすでにお母さんとお父さんは仕事をしていました。
『おはよう』をモンゴル語でいえなかったため、日本語で言ったら優しく笑顔を返してくれました。
皆起きた後朝食をすませお母さん、お父さん、オユカさん、メンデさんと一緒に山に行ってマツの実を採りに行くことになりました。
山に向かうとき、お母さんとお父さんが遠くの『山のふもとに狼がいるよ!』と指をさして教えてくれたのですが、小さくて見えなく、皆視力いいなぁ~(笑)と思っていしまいました。
坂が急な山を車で駆け上がり目的地まで着いた時、ゲルの周りの綺麗な澄み切った空気と違いマツの木のほのかな匂いがしました。
山のマツの実を貰うために、山の神様に捧ぎ物をあたえ、森の中に入りました。
まるで絵本の中に出てくるような森で、赤い実など拾って食べながらマツの木を探しました。山の頂上まで行きましたが残念な事にマツの実はすでにリスなどに食べられており見つかりませんでした。

帰りは近所の方に立ち寄り(近所といっても山一つ越えないといけません(汗))、お父さんはバイクの修理を手伝っていました。
日本ではもうみられない光景だったので、モンゴルの暮らしの良さを実感しました。
それと、ご近所さんからモンゴルのミルクティーを頂いたのですが、家庭によって塩の入れ具合が違う事に気づきました。塩加減がモンゴルの母の料理の決め手になるのかな?と思いながら、揚げパンを頂きました。

昼食をとり、その後皆でお昼寝をしました。気持ちよく、一時間ぐらい寝入ってしまいました。
起きた時お父さんと妹さんが、薪用の木を切っていて『やる?』と言われた(この時ジェスチャーで何でもわかるようになりました。)やると言って初薪作りをしました。
一般的な一人で行うのこぎりでなく大きなのこぎりを使って二人で切るので、息が揃わないと上手く切れませんでした。ですが、お父さんがフォローをしてくれたおかげでとてもやりやすく切れました。

そのあとまたおじいちゃんが羊とヤギと一緒に帰ってきて、二日目と同様に夕食をとり、乳搾りに行きました。息子のオギくんは最初会った時、人見知りをしていましたが、この時は馴れ、私の膝の上でご飯を食べました(●^o^●)かわいかったです。
前日より上手く絞れるようになり、バケツ3分の1まで牛乳を絞ることが出来ました。
空には星が見えましたが、昨日より星が見にくく『なんでだろう』と思ったら山から少し月が見え、『月が明るいからか!!』と思いました。日本にいると月の明るさはそこまで強いように感じませんが、モンゴルに行って月の明るさでも十分明るく照らしてくれる事を学びました。

そのあとはゲルに戻り温まってからお父さんが楽しみにしていたビールを買いに行きました!その時のお母さんとお父さんの目がものすごくキラキラと輝いていました(笑)
メンデさんもテンションが上がり過ぎて車を飛ばしていたら少し迷子になりました(笑)
ビールを購入し、皆ニコニコ歌いながらゲルに戻り、おじいちゃんも一緒ビールを飲みました。(遊牧民はお客さんが来るときぐらいしかお酒を飲まないそうです。)

お酒の力かお父さんお母さんがモンゴル語を喋っていても何を言っているか分かるようになりました。しばらく飲んで、お父さんお母さんの馴れ初めや、子供のことなど話してくれました。

私も色々話して、一番学業の関係で気になっていた環境の事などを聞きました。
以前は主に南で遊牧生活を送っていたそうですが、砂漠化によって動物達に食べさせる芝生が年々減っていき、北の方に移動し今にいたったこと。観光客がゴミを捨て環境が悪化したことなどを話してくださいました。
海に囲まれた日本では砂漠化は黄砂が来たとき意外身近には感じませんが、陸続きの国では身近に感じられ、そして生活を脅かしていることを聞いて人事では済まされないことを思い知りました。
そのあとも隣人同士が助け合う遊牧民の生活を聞き日本では感じなくなってきた『人の温かみ』を感じました。
きずいたらドライバーのメンデさんは寝ていて、お母さんは日本ビールを飲んでいました。(ちなみにビールは一瓶550mlです)
次の日は朝早くウランバートルに帰る予定だったため、布団を敷き寝ました。
明日帰ることに実感が持てず、もっと滞在期間を長くすればよかったと思いました。

4日目

三日目よりも早く起床し、外に出ました。妹さんが牛乳を搾り終わった所で、笑顔でお『おはよう!』といってくれました。
朝食を食べ、ゲルに忘れ物がないかを確認し出発しました。
その時家族全員でお見送りしてくださり、『また来てね!』『写真送ってね!』『是非お嫁さんに来て(笑)』と声をかけてくれました。
たった2泊しかいませんでしたが、本物の家族のように接してくれお別れがさびしかったです。別れの際オギ君、お母さん、お父さんの顔をみたらウルウルしてしまいました。

ホームステイ先からウランバートルに戻るまでの道のりは行きとは別のルートを通っていきました。広い大地の中、走行中にキラッと輝きが見え何かと思ったら大きなチンギスハーンの像でした。少しそこでその像を眺めウランバートル滞在ホテルへ向かいました。
ホテルに到着した後はシャワーを即効浴びました。久しぶりのシャワーとても気持ちよかったです!

リフレッシュした後は、ツァツァさんとメンデさんがホテルまで迎えに来てくださり、市内を観光しました。国会議事堂付近の落ち着いたレストランで昼食を取りツァツァさんとお話してその後ノミンデパートでショッピングをしました。かわいいフェルト商品や革製品があり、当初友達用に買う予定だったフェルトの小物も自分用に買ってしまうなどとても魅力的な品がたくさんありました。(私がモンゴルに行った時は円高でとても安く購入することができました!!)

ショッピングの後、ツァツァさんのご両親がモンゴル伝統芸能舞台の関係者から、伝統芸能の舞台を見ました。ステージは洋館ですが、中に入るとアジアンな内装をしていて、ステージが始まっていないのに大興奮してしまいました。幕が仏教の踊りと音楽の仏様(名前を忘れてしまいました(汗))の絵が描いていました。
舞台が始まり、とにかくビックリしたのが、伝統楽器でオーケストラを出来ることでした。また歌の時も楽器のような低い音程で歌を歌っていたのでどこからその声を出すのか不思議で、感動しました。

 

モンゴルの音楽は広い大地と風を思い浮かばせ、中盤では感動のあまりに涙が出てきました。遊牧民生活を体験したからこそ、その音楽に魅了されてしまいました。踊りはゆったりした踊りがあるかと思えば、鳥のようにピョンピョンとジャンプする踊りもありました。チベット仏教からか赤のコスチュームが多かったです。
ぜひモンゴルで遊牧民生活をした後コンサート見に行ってください!!お勧めです!!
コンサート終了後のしばらくの間は興奮が収まらず、ツァツァさんに英語で話していたつもりが途中日本語になっていました(笑)

夕食は初日にいったレストランで取り、ホテルに戻り就寝しました。

最終日

朝といっても3時に支度し、4時にメンデさんがホテルまで迎えに来てくれました。
周りはまだ真っ暗で冬のように寒かったです。メンデさんの鼻歌を聴きながら空港へ向かいました。いつもドライブ中は歌ってくれていたので、メンデさんの鼻歌が聴けなくなると思うと寂しくなりました。空港に着いて時間に余裕があったのでメンデさんからあったかいココアを頂きました。あっという間に旅行が終わってしまって正直帰りたくありませんでした(笑)
日本に帰ってきたら物の多さに驚きました。ゲルでの生活は必要最低限の物があれば生活できたため、日本は寧ろ無駄に持ちすぎていると思いました。モンゴルは場所・物に執着せず『物が足りなければ借りる』というスタンスのため自然と人とのコミュニケーションが生まれ、協力し合い生活しています。今の日本は物に縛られて、物で心を満たしていると思いました。

旅を振り返って

モンゴルに行って本当によかったです。モンゴルの精神に触れることで自分や日本を客観的に見ることができました。今までの旅行とは違い人との交流を通すことで『人間の生き方』そして『自然』を深く考えさせられ忘れられない旅行となりました。
社会人になる前にいけてよかったです!ぜひ皆さんも卒業旅行にモンゴル行ってみてはいかがでしょうか?女性一人でも安心ですよ!!

お問合せはこちら

お電話でのお問合せ・ご予約はこちら

03-3990-8823

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。